昨日まで何でもなかったのに、ある日急な腰の痛みに「エッ?痛い・・・」となった。

病院で調べても特に異常が見つからない。
だけど痛みが確かにある。

こういう、特に原因が見当たらないのに腰痛で苦しんでいる人はけっこう多いようです。

孤独

85%の人は原因がわからない腰痛

このように「画像所見で異常が見られない腰痛」は「非特異的腰痛」と言われ、数字にすると腰痛を感じている人の何と85%に上るそうです。
診察や検査をしても原因が見当たらないので、病院では的確な治療をしてもらえません。
どうしていいか・・・という感じです。

「非特異的腰痛」について、いいろいろ調べていくと、原因として「ストレス」が関係しているのではないかということがわかりました。
この痛みは、ストレスを負った心が生み出す「心因性」の痛みと言われています。

スタンフォード大学(アメリカ・カルフォルニア)の整形外科医であるユージン・カレルギー博士によると
「腰に軽い痛みを感じている人の5年間の追跡調査をした結果、
・気分が沈みがちで、悲しい気持ちを持った人
・気持ちが不安で、じっとしていられない人
これらの人は心理的に安定している人に比べ、30倍重い腰痛にかかりやすい」ということです。

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3年間原因不明の腰痛で苦しんだ夏樹静子さん

作家である夏樹静子さんは、テレビドラマ化、映画化もされた「Wの悲劇」の作者としても有名です。
その他にドラマ化された作品も多い売れっ子小説家であったため、仕事は引きも切らずある状態でした。
そんな中、精力的に執筆活動を行っているまっただ中での腰痛発症でした。

この、自分の腰痛体験をもとに書かれたノンフィクション作品が「腰痛放浪記 椅子がこわい」という書籍です。

イス

地獄のような疼痛との戦いの始まり

それは、はじめはちょっとした違和感から始まりました。

それが段々と、断続的な腰痛に加えて異様な倦怠感を感じるようになり、そして「まるで物凄く重いリュックを背負っているか、鉄の甲羅でも貼り付けられたように背中が怠くて背筋を立てているのがつらい」と表現されるような毎日を送るようになってしまいました。

大学病院の検査でも異常は見つからなかった

痛みが本格的になり、それこそいてもたってもいられなくなった夏樹さんはあらゆる病院で検査を受け、診察を受けます。
それでも異常は見つかりません。
ただ、途中に信頼している医師の一人から
・運動不足のために
・筋肉が弱化しているのかも
だから水泳(水中歩行)をやって筋肉をつけていきなさい、との夏樹さんにとっては、とても納得できる理にかなった診断を受けることになります。
その後に夏樹さんは、きっちりと水中歩行やストレッチをこれ以上はないほどこなします。
そして筋肉も着実に付き始め、これで腰痛ともオサラバ出来ると思ったのもつかの間、意に反して腰の痛みは消えませんでした。

プール

夏樹さんの受けた治療の数々

有名人であり、交友関係の広い夏樹さんの元には腰痛に苦しんでいることを知った友人、知人から色々な情報が寄せられます。
「ここで治療を受けたら腰痛が治った!」と聞くと、どんなところにも飛んでいきます。
体調が悪くて自分が行かれない時は、可能な限り来てもらい治療を受けます。
そんな風に有名、無名のあらゆる治療家たちの療法を経験した夏樹さんでした。

  • 大学病院の整形外科
  • ホルモン補充療法
  • 有名な手かざし療法家の治療
  • 有名な気功師による治療
  • カイロプラクティック
  • 鍼療法
  • 野菜スープ療法
  • サウナ
  • テープ療法
  • 温熱療法
  • サイマティック療法(さまざまな音響を患部に聴かせるという音響療法)
  • 市のクリニック
  • 宗教家の祈祷
  • 枇杷の葉の温灸
  • 漢方薬
  • 痛み止め(あらゆる鎮痛剤)
  • 痛み止め(硬膜外ブロック)
    などなど

何をやっても痛みはなくならない、なぜなら「脳が痛がっている」から

そんな中、激痛に耐えられなくなった時にモルヒネに近いくらいの鎮痛薬を処方され試しました。
それが何と、全くと言っていいほど効かなかった時にその医師に言われました。
「あなたの腰痛にはモルヒネも効かないだろう」
「末梢神経ではなく脳が痛がっているんですよ」との言葉でした。

実はどのような治療をしても痛みがひかない夏樹さんを見て、何人かの治療家、医師から「もしかしたら原因は心因性のものじゃないか」と言われてはいました。
ただ、夏樹さん自身、頑としてそれを受け付けなかったのでした。

ハート

夏樹さんの腰痛の正体

他に方法もなくなった時に、やはり知人から紹介された、腕の良いと評判の心療内科医の診察をやむなく受けることになりました。
いろいろ診察を受け、結果的に医師からくだされた診断は「典型的な心身症です」とのことでした。
自分自身、無意識のうちに「作家夏樹静子」という存在を支えきれなくなり、身体から発するSOSが腰痛というかたちで出たということでした。
病名は「心因性疼痛障害(心身症)」です。

自分自身のストレスの原因を認めた時に痛みはなくなった

2ヶ月間、心身症を治すために入院した夏樹さんでしたが、それは本人の想像を超えた壮絶な入院期間でした。
最後の最後に、自分自身で「作家・夏樹静子という存在が心因性疼痛障害を発症する原因となったこと」を認め、夏樹静子をやめる。
そして一主婦の出光静子(夏樹さんの本名)に戻るということを決めたことによって、死ぬほど痛くてつらかった3年余りの腰の激痛から解放されたのです。

その後、1年間の心身ともの休養のあと、ふたたび「作家・夏樹静子」として活動を始めることが出来たと本のあとがきにありました。

チューリップ

大事なことは心因性で腰痛が起こることをみとめること

夏樹さんが3年間もの間腰痛に苦しんだことの原因は、なんといっても腰痛の原因を構造的なことしか認めなかったことにあります。
途中、腰痛の原因を心因性な方面でも考えたほうがいいと、いろいろ助言してくれた人もあったようですが、まったく認めませんでした。
夏樹さんは心因性なんかで腰痛になるわけ無いと、頭から決めつけていたのです。

原因不明の腰痛はこわくない

もし自分が腰痛で、原因が見当たらなっかたら・・・。

腰痛の原因は筋肉や骨や関節などの構造的なことだけではありません。
原因の中には心因的なことも含まれるということを知ることで、きっと治療の幅が広がり、良くなる可能性が大きくなるはずです。

 

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