
介護の仕事に興味があって一度はやってみたい・・・でもほかの心配はともかく腰痛持ちでそれが心配。
仕事についたは良いけど、腰痛が再発することはコワイ!
もしかしたらそう思っているかもしれません。
でも、大丈夫です。腰痛持ちでも「ボディメカニクス」を意識すれば、そんなに不安になることはないですよ。
介護の仕事をしている人には腰痛がつきものだと言う先入観はありませんか?
そんな先入観と不安をなくしてくれる介助のテクニックとちょっとしたコツをお伝えします。
Contents
介護現場ではおもに移乗のときに腰に負担がかかりやすい
若いときにひどい腰痛を経験しながら、今は50代なかばすぎで現役の介護士として働く私が日常気をつけていることを書いてみました。
腰痛を患ったことのある人は介護の仕事を希望していても、家族や友人知人、ヤフー知恵袋で相談したとしても98%は反対されることでしょう。
腰痛というバクダンを抱えている人にとって、一番の不安なことは身体介助だと思います。
現場では、お年寄りと言えどもちゃんと重さのある人間を起こしたり、抱えたり、移動させたり移乗したりしなくてはなりません。
自分の身体を守り腰痛を防いでくれるボディメカニクスという技術
自分の身体への負担を最小限に抑え腰痛からも守ってくれる技術、その一つの方法がボディメカニクスという技法です。
「ボディメカニクスとは、力学の原理を人間の身体構造に応用する技術です。」
ボディメカニクスを活用することによって私たちの介護技術は安全で安楽、最小限の力で最大限の効果を発揮することができます。
その8つの原理を簡単に説明します。
ボディメカニクスの8つの原理
- 支持基底面積を広くする・・・立った時に足を前後左右に広げることで身体の安定が保てる
- 膝を曲げ重心を低くする・・・重心が下がり骨盤が安定する。膝をクッションにし負荷を吸収する。
- 利用者にできるだけ近づく・・・二つの重心が近づくことで安定し、全身の力を使って介助することができる。
- 身体を小さくまとめる・・・利用者の身体を小さくまとめることで動かしやすくなる。
- 足先を動作の方向に向ける・・・体をひねる動作を小さくすることで、極力腰への負担を軽減する事ができる。
- 水平に移動する・・・利用者の身体を持ち上げるのではなく水平に移動することで、自分の身体への負担を少なくする。
- 大きな筋肉を使う・・・大きな筋肉(大腿筋など)を使い介助することで、自分の身体への負担を少なくする。
- テコの原理を使う・・・自分の体の何処か力を支える支点を見つける。支点を作って力を加えることで反作用の力を活用することができる。
わかりやすい動画がありましたのでご紹介いたします。上の説明も動画から書き起こしました。
※8つ目の「テコの原理を使う」というのはちょっとわかりにくかったかもしれませんが、ベッドに肘をついたり、膝をベッドのヘリにつけることで利用者の重さを支えるなどしています。
ボディメカニクス8つの原理は意識して行うことでだんだん身につく
ボディメカニクスは実際にやってみると難しいことではないですが、習慣になるまでは意識して行うことが大切です。
仕事で身体介護をするときの動作は積み重ねです。
これ一回と思って無理な姿勢で自分の身体を動かしてしまうと、取り返しがつかない事態になることもあります。
自分の身体を痛めてしまうのと同時に危険も伴います。
介護の仕事は時間に追われて仕事をすることが多いとは思いますが、自分の身体を守れるのは自分だけです。
一回一回意識して態勢を作りつつ仕事に取り組むことが、自分を守り、相手を守ることにもつながるのです。
疲れをためずに腰痛体操で筋肉をほぐすことで腰痛を予防する
仕事の後や、疲れを感じたら簡単にできる腰痛体操「これだけ体操」などで早めに疲れを取ることがとっても大事なことです。
腰痛をぶり返さないために、腰痛体操も習慣づけて下さいね!